こんにちは。
未だ三分の一程度を読んだだけの『石垣りん詩集』ですが、今回も一作をご紹介いたします。Eテレ「100分de名著」テキストでの言及があるのか、未確認なのですが、いずれ確認しておきたいと思います。
崖
戦争の終り。
サイパン島の崖の上から
次々に身を投げた女たち。
美徳やら義理やら体裁やら
何やら。
火だの男だのに追いつめられて。
とばなければならないからとびこんだ。
ゆき場のないゆき場所。
(崖はいつも女をまっさかさまにする)
それがねえ
まだ一人も海にとどかないのだ。
十五年もたつというのに
どうしたんだろう。
あの、
女。
~岩波文庫版『石垣りん詩集』p.113-114
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ゆっくり、ていねいに味わって読んでいきたいと思っています。お読みくださいまして、ありがとうございました。それではまた!