マチナカ年代記

ぼくが考え、書いてきたこと。

論考

2405:信仰と理性、宗教と哲学

とある批評家の方がおっしゃっていましたが、文学と宗教、哲学の三者とは、かつて不可分のものとして存在していたのだそうです。かろうじて信仰を保持している私としては、この発言は歓迎できるものでした。先だって私は、「哲学とは、言葉の丁寧な運用」で…

2405:いま、「哲学」とは?

昨夜、「哲学が苦手」だと言ってやまない友人と語り合いました。興に乗って、少しばかり話してしまったのですが、ここでは、その話しを思い出しながら、稿を進めていくことにしたいと思います。おつきあいくださいますと幸いです。 高校で履修した科目名がそ…

2405:坂上さんと國分さんに伝えたかったこと②

坂上香さま 國分功一郎さま 先般お届けした文章をお読みくださいまして、ありがとうございました。今回は、私の質問について國分さんがお答えいただいたのに続けて、坂上さんがしてくださったご発言に関して書いていこうと思っています。どうぞよろしくお願…

2405:坂上さんと國分さんに伝えたかったこと①

坂上香さま 國分功一郎さま 昨日(24/05/08)は、三鷹での対談イベント、おつかれさまでした。また、本当にありがとうございました。私は、『プリズン・サークル』の映写イベントで2回、YAA!(ヤングアダルト&アート・ブックス研究部会)でのZoom部会で1回…

2405:傍観者から「共事者」へ~『プリズン・サークル』の話しを聞いて

こんにちは。 去る5月2日(木)、「3分de名著」と銘打った読書会で、参加者思い思いの「名著」について語っていただく機会を設けました。その中では、坂上香監督の『プリズン・サークル』について言及いただいた方がありました。 この著作は、同監督の映画を…

2404:セクハラとセクシャルハラスメントの「あいだ」~日本語の問題解決能力について

「ことば」には、ある問題を発見・提起して、解決へと導く「力」が宿されていると思います。正しく「問い」として提起されなければ、それは解かれることはありません。耳慣れないことばというものは、新しい問題として発見・提起されているがゆえに「耳慣れ…

2402:人はなぜ、言葉によって変われるのか~若松英輔『藍色の福音』を読んで

藍色の福音 作者:若松 英輔 講談社 Amazon こんにちは。 「ファン」であることを隠す必要もなくなった、若松英輔さんの最新刊の一つ(刊行ペースが早いのです!)です。当初、初の「自伝」的著作と考えていたのですが、刊行の経緯として、『群像』誌に掲載さ…

2401:正木さんの「論考」を歓迎する(結)

今回をもって、標題に「正木さん」を冠するエントリーを完結させたいと考えているが、この先には、より広く「信仰」や、他者一般との「対話」について考えることへと開かれるようだといいと思っている。それは私の実力では届かない地平と思うが、このささや…

2401:正木さんの「論考」を歓迎する③

昨日までの2件のエントリーで、私は正木伸城さんが年末に発表された論考についてのコメント的な文を書いてきた。以下からご覧いただける(ようにします)ので、適宜ご参照いただきたい。 今回までのエントリーは、私は正木さんの論調、すなわち「創価学会組…

2401:正木さんの「論考」を歓迎する②

前稿に続き、「問題」として論じられていることが多い宗教二世について、年末に発表されていた正木伸城さんの論考「創価学会を急成長させた池田大作と会員の「絆」 彼を「カリスマ」と捉える風潮への体験的異論」をきっかけとして考えたことを数回に分けて書き…

2401:正木さんの「論考」を歓迎する①

「宗教二世」とは――? こうした「新語」としては常のことながら、「キャッチフレーズ」として話題となり、独り歩きしている感がある。2022年7月の安倍元総理が銃殺された事件の実行者が、旧統一教会員の家庭に育ったことが報じられたことで、一気に広まった…

2312:宗教二世のあなたへ・序

こんにちは。 この記事が、宗教二世の「被害者」を自認している人にはもちろんのこと、「加害者」と指さされて戸惑っている人の元へと届き、さらにはその両者の架け橋あるいは、対話のきっかけとなることを願っています。もとより、そんな力が予め私に備わっ…